自宅のタンスを整理していたら、パンダのぬいぐるみが出てきて、その可愛さに思わず笑顔となりました。どうやら、私の家族がファッション誌の付録として入手していたらしく、「パンちゃん」という名前もありました(笑)
パンダといえば、2017年6月に生まれた上野動物園のシャンシャン(香香)が話題になりました。あれから早3年近く経過しますが、今でもその人気ぶりは健在のようです。新型コロナウィルスの影響により上野動物園は休園となっていますが、HP上にパンダの動画が公開され、可愛い姿を見ることができます。それでも、いち早く動物園で直接見たいものです。
ところで、先日パンダのことが雑誌に特集されていましたが、身近な動物でありながら、パンダの知らない点が多いと感じました。
パンダは中国内陸部(四川省、陝西省、甘粛省)の高地(標高1000m~4000m)だけに生息しているかなり希少な動物であり、生物学的にはクマ科食肉目ジャイアントパンダ属に分類されます。大きいものだと体長160cm、体重180kgになるため、クマと変わらない迫力があります。
餌はタケ(タケノコ、葉、幹なども食べる)を主食とします。なお、クマにはない指を使ってタケを器用につかんで食べることができます。本来は肉食であるクマの仲間であり、消化器官は肉食動物と変わりません。このため食べたタケのうち消化されるのは20%程度であり、ほとんどそのままの形でふんとして出てしまいますので、1日に数十キログラムもの餌を食べるということです。
また、現在の推定個体数は約1900頭であり、絶滅の危機に瀕した種をまとめた「レッドリスト」によると「絶滅危惧種」に次ぐ「危急種」とされます。1970年代に2500頭の推定固定数であったのが、1980年代に1100頭にまで減少しています。これは人間の開発による生息地の減少、分断が原因の一つとされます。もう一つはパンダの餌であるタケがいっせいに枯死したことが原因とされます。これは、タケが数十年に一度、いっせいに花を咲かせてその後、いっせいに枯れる性質を持つことによるものです。
パンダの個体数が増えにくい一因として、繁殖率の低さも挙げられます。受精可能なのは、3ヶ月間の繁殖期のうち3日程度に過ぎず、妊娠しにくい性質であり、野生下での繁殖は勿論、人工受精も容易ではない状況なのです。
さらに、赤ちゃんパンダは体長20cm未満と未成熟な状態で産まれ、授乳・温度管理・排泄等、飼育にはかなり神経を使うようです。現在では、飼育技術も向上し、生存率は95%を超えているそうです。
今後の課題として、人工で飼育したパンダを野生復帰させるということですが、自然環境では食物の調達等、生存競争を余儀なくされるため、中々難しいそうです。そのような中でも、中国内における関係者の保護活動によって、着実に個体数は増加しているということです。 パンダの可愛い姿を見られるのは、飼育員達の努力があってこそだと思い知らされました。