私は最寄り駅まで車で約10分、徒歩だと30分以上かかる場所に居住しております。また、病院・市役所・(商店は地元にないので)ショッピングセンターにも車で最低10分以上かかる環境です。公共交通としては、本数が少ないものの、コミュニティーバスが運行されており、高齢者や車を運転できない交通弱者の足となっています。

このような中、令和元年夏頃、コミュニティーバスの運行事業者から経営難・人手不足を理由として、令和元年12月末に運行事業から撤退する旨の発表があり、交通弱者としては、交通手段が無くなってしまうことに対する懸念とともに、代替の交通手段を検討しなければならない状況となりました。

幸いにして、行政側から5年間の運行助成金の交付を条件に運行事業者を公募した結果、今年1月から、新たな運行事業者によりコミュニティーバスの継続運行が始まっています。
ただし、一部のルートは廃止となり、不便になった地区もあると聞きます。

また、コミュニティーバスの運行に当たっては、運行事業者として採算面が重くのしかかり、バスを運行しても乗車人数が少なく、運賃収入も上がらない状況では、助成金交付期限が満了した後に運行を続けることは困難です。

私の地元では、そもそも交通弱者以外の住民は生活の足として車に頼っており、バスを使用するのは飲みに行くときなどに限られます。このため、現時点で乗車人数が増えることは、まず無いと言っても過言ではありません。恐らく全国的にも同じような状況なのだと思います。

各地で路線バスの廃線検討という事態は起きており、それでも自治体・住民が知恵を絞り、状況を打破しようとしています。
私の読んだ書籍から事例を以下に挙げると、「市民参加型の政策によってバスの乗客を増加させた岐阜市」、「『交通はいのちと国土を守る』という政策理念を掲げて、住民と一体となりコミュニティーバスやデマンドタクシーを町中で運行している長野県木曽町」など、各自治体での取組みが活発になっています。

また、富山市ではコンパクトシティを目指し、富山駅を中心とした公共交通LRT(全長11.3km)を整備した結果、車の使用者が減り、住民がLRTで生活し、また観光客も呼び込めるという好循環を実現しています。

高齢化と人口減少が進行している現代社会では、地域交通が途絶えてしまったら、買い物や通院などの日常生活ができなくなり、もはやその場所に住むことが出来なくなり、さらに過疎化が進むことは想像に難くないでしょう。地域コミュニティーを維持し、その活性化を図る意味でも、住民一人一人が考えなければならないと感じます。

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