いつぐらいまでだったでしょうか。平成初期頃までは「水戸黄門」「遠山の金さん」「三匹が斬る」「暴れん坊将軍」「大岡越前」など、数多くの人気時代劇がテレビ番組に名を連ねていました。私は時代劇が好きでしたので、よく観ていましたが、近年は時代劇の放映がめっきり減ってしまい、本当に寂しい限りです。

悪人を成敗する際の役者さんの殺陣のシーンは本当に見事で、ストーリーも相まっていつも感動させられました。また、刀のぶつかり合う「キーン」という効果音も、殺陣のシーンに迫力を付けて、なくてはならない存在です。

さて、この刀の効果音について、私はいつも疑問に感じることがありました。刀はぶつかり合っても(刀同士で受け合っても)折れたりしないのでしょうか?また刀背(みね)打ちは存在したのでしょうか?

まず、打ち込む(攻撃の)際、相手方に力が伝わりやすい刀身の位置は「物打ち」と言われます。バットでいうと芯にあたり、二尺三寸の刀だと鋒(きっさき)から20~21cmが物打ちの中心位置ということですが、相当な鍛練が無いと、物打ちで打ち込むことなどできないでしょう。

次に、打ち込まれた刀を受ける場合(防御)は、「鎬(しのぎ)」という部分で受け流すことになるそうです。「鎬」は刀身の刃先を横に向けて見える平面部分のうち、黒色になっている(刃は光っている)箇所となります。

なお、「受け流し」と言っているのは、単純に受けるだけでは、打ち込む側の3倍の衝撃となってしまい、折れ曲がってしまうことから、「受け流し」て衝撃力を分散する必要があるということです。余程修練を積まないと、鎬で受け流す対応はできないでしょう。まさに攻守ともに超人技です。

また、日本刀の凄いところは、目釘で刀のパーツが固定されており、刃の交換も可能であるところです。そして、目釘は竹でできていますが、刀で打ち合っても目釘は折れにくい構造になっています。竹なのに、折れにくいのには理由があります。

目釘の位置は、刀の衝撃を最も受けにくい場所にあるようです。この位置は、刀の種類、作り手によって違い、伝承により位置が決まっているということで、力学など科学が発達していない大昔に、衝撃を受けにくい位置を割り出していることは大変な驚きです。

そして、峰打ちについては、本来、峰で相手方に打ち込む想定はされておらず、折れ曲がりの恐れがあります。強度の観点からは、日本刀の扱いとしては不適切ということです。

日本刀は、古来から刀匠達が刀作りの技を絶やすことなく、現代に至るまで伝承されています。そして、時代時代の戦法により、例えば歩いての個人戦なのか、戦国時代の騎馬戦が主流なのか等、刀の長さや形、反り具合などを少しずつ変えながら、伝承されました。現代、刀を使用して実戦で使用することは、居合など限られますが、これからも刀匠の職人魂と剣技が絶えないことを願ってやみません。

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